DXの戦術

サイバーフィジカルシステム(CPS)・デジタルツイン(DT)・モノのインターネット(IoT)が実現する社会。
CPSとDT、IoTの三位一体で構築されるコンピューティングパワーシステム。
現実の世界をデータに置き換えるセンシング技術、これらのデータを集めるネットワーク技術と収集先となるクラウドコンピューティング技術。
集めたデータから予測や知見を導き出すAI(人工知能)を含む分析技術、そしてこれらを現実世界に反映する制御技術やロボティクス技術。
モノのインターネット(IoT)Internet of Things
モノ、機械、人間の行動や自然現象は膨大な情報を生成している。これらの情報を収集して可視化することができれば様々な問題が解決できる。見ることや聞くこと触ることができる情報はもちろん、それらができない情報もセンサーにより数値化され収集可能になる。
デジタルツイン(DT) Digital twin
デジタルツイン(DT)はサイバーフィジカルシステム(CPS)とほぼ同義だが、サイバーフィジカルシステムが個別の指標におけるデータ活用のサイクルを示しているのに対し、デジタルツインはそのデータの集合体をサイバー空間に再現した物理モデルのことを意味している。
サイバーフィジカルシステム(CPS) Cyber-Physical System
実世界にある多種多様なデータをセンサーなどで収集し、サイバー空間で大規模データ処理をして分析することで、産業の活性化や社会問題の解決ができるような新たな価値や情報を創出することができる。
三位一体のコンピューティングパワーシステム
IoTはあらゆるモノがインターネット接続できるようになることに焦点が当てられる。モノがネットワーク化されることでフィジカル世界におけるデータの「活用」と「収集」を行い、デジタルツインにデータを送ることで機能を果たすことが可能になる。
デジタルツインは、現実世界の情報を詳細に取得できるようになることでデジタル世界にフィジカル空間の情報(IoT)を完全に再現する“双子”を作ることができる。そのためサイバー空間の中で再現された現実空間データの「蓄積」と「分析」を行う。
サイバーフィジカルシステム(CPS)は、IoTによりフィジカルデータを収集し、サイバー空間のデジタルツインにより得られた知見を、フィジカル空間でフィードバックするような一連のサイクルをさす。IoTやデジタルツインを活用して、現実世界に効果をもたらし、そのシステムはサイバーフィジカルシステムになる。
第1世代プラットフォーム(メインフレーム)
メインフレームとは主に大企業を支える基幹業務に使用される大型コンピュータであり、汎用コンピュータやホストコンピュータのこと。
IBMのSystem/360が登場したことにより、メインフレームの概念が確立され、それまでの計算機中心の運営から、コンピュータを用いたスピーディーで効率的な運営へと変化した。
第2世代プラットフォーム(クライアント/サーバ)
クライアントサーバシステムとは、2000年頃からコンピュータをサーバとクライアントの2つに役割分担させて運用する仕組みが始まる。
サーバに「データを送って欲しい」という要求をクライアントが送信し、サーバがそれに応答する形で処理が行われる。
第3世代プラットフォーム(クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャル)
2015年頃から始まり、「クラウド」「ビッグデータ」「モバイル」「ソーシャル」の4つの要素で構成されている。新たなメリットはネットワークがあればどこでも利用できる点、利用したいときに利用したい分だけ使うことができる点、そして場所を問わずさまざまなデバイスからアクセスできる点などがある。
・クラウド SaaS(Software as a Service)
インターネット経由でソフトウェアを利用できるようにしたサービスの総称。ウエブ共有することで、さまざまなユーザーがコンピュータとネット回線さえあれば利用できる。有名なところでは「Google Apps」や「Dropbox」などがある。
・PaaS(Platform as a Service)
プラットフォームはソフトウェアを動作させるための土台として機能する部分を指し、ユーザーはプラットフォームそのものをサービスとして提供してもらい、比較的低コストで自社サービスの開発を行うことができます。
・IaaS(Infrastructure as a Service)
コンピュータシステムとそれらをつなぐネットワークの稼動に必要な(仮想)サーバなどのインフラをサービスとして提供する形態。
「ホスティングサービス」と変わりないが、利用するサーバのスペックやOSをサービスとして選択できる点が違う。「Google Compute Engine」や「Amazon Elastic Compute Cloud」などが有名。
・ビッグデータ
文字どおり膨大な量のデータのことで、統計分析を行う際に用いられる。文書ファイルのテキストデータや画像データ、音声・動画データ、GPS情報データなど、あらゆるものがビッグデータ。
BI(ビジネスインテリジェンス)やMA(マーケティングオートメーション)はビッグデータを活用したシステムの一部
・モバイル
持ち歩ける小型のコンピューター(デバイス)を指す。生活になじみのあるスマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどもモバイル機器に含まれる。
・ソーシャル
SNSに代表されるような、ユーザー同士をインターネットでつなげるサービスを指す。FacebookやTwitter、Instagramなどが有名。最近ではチャットツールなどもコミュニケーション機能が充実しており、ソーシャルサービス的側面をもつようになっている。