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EXA our spirit

2024-11-30

「知能」(IO)によって成功の再現を競った20世紀

20世紀は日本経済が右肩上がりに成長し、多くの企業は成長を前提に終身雇用を導入、社員も新卒から定年まで勤め、会社も大きくなり、職位も上がり、給与も上がる時代だった。
社会の構造は画一的で、「量」や「モノ」の効率性が追求された。思考パターンも同一でスピードが求められ、成功を再現するための競争が社会の普遍的原理であった。

このような成長社会において「できる人材」の要件は、「豊富な知識」と「頭の回転」の速さでした。
また周りと軋轢を起こさない「協調性」と「順応性」も重視された。つまり「知能」(IQ)と「性格」が大切にされた。

「感情」(EQ)で「心理的安全性」が重要な21世紀

20世紀が一直線的に進めば成長する成長社会だったのに対し、21世紀は成熟社会でカオス-混沌時代に入っている。
社会は多様化(ダイバーシティ)していき、個人は新しい領域に越境して適応(変化)していくことが求められる。

20世紀では、問題が起こっても単純に最善な「解」が存在すると考えられていた。

しかし21世紀に進行する多様化では、価値観のゆらぎがあり「解」があるのかどうかわからない課題が増えてくいる。
こういう課題に対して画一的にパターン化された思考では「解」が見つけられない。
したがって様々な出来事・情報を、複眼的に把握し思考することが求められる。
「唯一の正解」という堅い考えでは、正解にたどり着けない可能性が高い。
「あれもこれもあり得る」という柔らかな思考が「たくさんの解」を見つけられる。
左脳(知能)IQ中心から、右脳(感性)EQへのシフトが起きている。

職場内の規律や関係も変化している。
20世紀型組織では、マネジメントは主として組織の管理と統制を意味したが、
21世紀の人間関係はフラットになり、「感情」(EQ)を重視して、感謝、感動、共感をつくり、人とのつながりを強くする「心理的安全性」が求められている。

 EQの高い組織は「こころを開いて討論する」

組織の業績とEQに関する興味深い研究がある。
単純作業のプロジェクトにおける「EQの高い組織」と「EQの低い組織」を比較した研究では、
「EQの高い組織」の立ち上がりが早く、3カ月でほぼ最高の業績を上た。
「EQの低い組織」は立ち上がりが遅く、3カ月経っても業績はほとんど向上ない。

「EQの高い組織」の特徴は、メンバーが共同で作業するという意識が高かったことによる。
メンバー同士の得意、不得意、それをカバーするための議論、どうすればよりよくできるかを話し合い、お互いの意見の一致を目指してとにかく議論をする傾向があった。
「議論」は言い合いという討論ではなく、目標達成に向けて互いに協力し、支援をし合うための議論であった。

リーダーにも興味深い特徴があり、常に前向きなムードを醸し出していたという。
作業をするにつれ、やり方の変更、修正を加える場合、その都度リーダーは「面白そうだ、やってみようよ」と一貫してポジティブにふるまっていた。

「 Open heart battle」が組織の成果を高める。

「 Open heart battle」を支えるEQ
「EQの高い組織」が成果を出すまでのスピードを早めた、その「適応力」はどうやって生まれたのか。
様々な問題にぶつかり、その悩みや課題を共有し、対立を恐れず解決に向けて全員で議論ができる環境があったからだ。
より良い結果を求めて議論が紛糾しても、心を開いての討論であり、成果を上げるためには必要な「 Open heart battle」であった。

こんな組織にEQが有効となる。
「意見の一致を目指して、本心、本音なんてとても言えない」
「助けてくほしいなんて、とても言えない」
「教えてくださいなんて、馬鹿だと思われるので、言えない」
このような状態の組織に「 Open heart battle」を実現したら、その組織には「心理的安全性」(psychological safety)が宿る。

Google発見の「心理的安全性」(自己と他者との共存)

Googleの調査によると、会議やブレストではプランの中身そのものを重視するのではなく、それを言うと誰がどのように受け止めるかを心配する状態になっている。
こういう組織は「心理的安全性」が低く、成果が期待できないとの結果が導き出された。

Googleはどのような組織が高い成果を上げているかを分析し、その結果を組織にフィードバックさせてさらに生産性を高めようと考えた。
社内で成果を上げている多くのチームのデータを集めて共通要素を見いだそうとした。

当初は、様々な特徴のチームが成果を上げており、共通点を見いだすことはできなかった。
つまりチームの「働き方」を分析しても、そこに答えはなかった。
そして分析チームがようやく見つけたのが「心理的安全性」だった。

いつも成功するチームには、他者への心遣い、配慮、共感が必ずあり、
「リーダーに叱られる」「仲間から無視される」という不安がないのが共通していた。
それが「心理的安全性」(自己と他者との共存)であった。

Posted by TOSHI