DX体制 投資予算

アジャイル開発での予算取りは想像以上に難しい。ROIで投資効果を正しく見極める。
DXで主流となりつつある、ソフトウェアの「アジャイル開発」は、大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていく。従来の開発手法に比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と呼ばれている。
「アジャイル開発」は、ソフトウェアの計画段階で厳密な仕様を決めずに、だいたいの仕様と要求だけを決める。
おおまかな計画のみでは、その後の実装フェーズで問題が起こりそうだが、仕様が決まっていないので途中で変更があっても臨機応変に対応できるため、顧客のニーズに最大限応えることが可能。
ところが、アジャイル開発での予算取りは想像以上に難しい。
一般的な予算算出法
- 機能シナリオを定義しバックログ(取りかかる予定の仕事)に積む。
- 個々のシナリオの工数を見積もる。
- 見積もった工数を積算して、積算工数をチームの1カ月の生産力で割る。
- 機能シナリオの実現に必要な期間が出る。
- チーム全員分の人件費と期間を掛け合わせ、予算を算出する。
見積もりロジックが揃わないと予算算出できない
- 採用技術とアーキテクチャーが決まっている
- チームメンバーが期間を通して固定されている
- 採用予定の実装方式を経験済みのメンバーがアサインされている
- この環境下でのチームの生産力が予想できている
- 要求の実装に際してチームがある程度の裁量を有している
- 上記の見積もりロジックは「アジャイル開発」の場合、確定できていないことが多い。
ROIで投資効果を正しく見極める。
ROIは「Return On Investment」の略称。「投資収益率」や「投資利益率」とも呼ばれ、その投資でどれだけ利益を上げたのかを知ることのできる指標のことを指す。
ROIの数値が高ければ高いほど、うまい投資ができているといえる。
ROIで「投資収益率」の想定をしておくことが、DXの効果測定目標となる。
- 計算式は「利益金額÷投資金額」の式で求められる
- (売上ー売上原価ー投資額)÷ 投資額×100(%)
- 「利益」を「投資額」で割ることによってROIを算出する