2-6 「目標」と「やる気」

2021年3月27日

命令に「自律性」をもって取り組むかどうかは、その人の自由である。

「命令と自律のマトリックス」に「目標」を重ね合わせる

「命令と自律のマトリックス」では、各ゾーンでのやる気のレベルが見えた。
アドラーは、人は「目標」に向かって生きると考えた。
つまり「目標」こそが人間を動かす原動力だという考えだ。
そこで、マトリックス四つの象限に「目標」を重ね合わせて考えてみる。

「自律性なし×命令なし」の第Ⅳ象限の活動は、「やる気」がないうえに「目標」さえも欠如していると言える。
これが第Ⅰ象限の活動になると、命令こそ他人からのものですが、自律的に活動していることから目標が「自分ごと」になってくる。
さらに最後の第Ⅳ象限の活動では、まさに自発的に動いていることから、目標が「自分ならでは」になる。

1 第Ⅰ象限「自律性あり×命令あり」➡自分ごとの目標
2 第Ⅱ象限「自律性あり×命令なし」➡自分ならではの目標
3 第Ⅲ象限「自律性なし×命令あり」➡強制の目標
4 第Ⅳ象限「自律性なし×命令なし」➡目標はなし

「目標」のもち方でマトリックス象限を自在に遷移する

第Ⅳ象限に身を置いている状態は、毎日「やる気」が出なく人生は無意味だと感じる。
それは「目標」を失った状態にあるからだ。

「目標」の欠如は最も不適切な状況のなので、一刻も早く適切な「目標」を見つけ出すことが欠かせない。
アドラー心理学では、不適切な「目標」に気づきを与え、適切な「目標」に一歩踏み出せるよう「勇気づけ」をする。

次の第Ⅲ象限では「目標」が強制されたものとなっている。
他人から押しつけられたイメージを強く感じるため、「目標」がどこか他人ごとのように思える。

「目標」を自分ごとの目標にできたとき、私たちの活動は第Ⅲ象限から第Ⅰ象限に遷移する。
さらに、命令もなしに自律的に目標を設定して活動すると、この活動はいっきに第Ⅱ象限に遷移する。

本来「命令」とは「他人の課題=コントロールできない目標」である。
しかしその命令に「自律性」をもって取り組むかどうかは、その人の自由である。
それゆえ私たちは、「目標」のもち方、接し方によって、嫌々やっている活動や強制されている活動を、第Ⅰ象限や第Ⅱ象限の活動に引き上げることが可能となる。

「目標」のもち方、接し方にを引き上げるか引き上げないかは、すべて自分自身で選択できる。

Posted by ip103