2-7 適切な「目標」設定の方法
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「前倒し主義」を実践してマトリックス象限をワープ
人から命令された「目標」はあまり「やる気」が出ない。
そのまま実行してもマトリックスが「第Ⅲ象限」にとどまり、低いやる気がつづくだけだ。
例えば、上司から取引先向けの販売促進キャンペーンイベントの企画書を、一週間以内に作成する仕事を命令されたとする。
言われたとおり一週間後に提出するだけだとしたら、きっとやる気ない一週間となる。
この仕事を、普通にやる気が出る「第Ⅰ象限」に引き上げる方法はないのだろうか。
これには実に簡単な方法があり、「前倒し主義」という手法を実行すれば解消する。
「前倒し主義」とは、命令された仕事の期限を、自らの意思で「前倒し」するだけ。
今回の場合、一週間後の締め切りを、自らの意思で五日後に前倒しする。
たったこれだけのことで、第Ⅲ象限止まりの仕事を、簡単にやる気が出る第Ⅰ像限に引き上げられます。
そもそも、企画書を二日早く作成することは、誰に命じられたものでもない。
自らが課した「目標」、すなわち「自分ごとの目標」です。
「前倒し主義」を実行することで、第Ⅲ象限目標から第I象限の「自分ごとの目標」にいきなりワープできる。
「前倒し主義」で「自分ごとの目標」に
やる気が低い第Ⅲ象限の仕事を、いきなりやる気が高い第Ⅱ象限に引き上げることだって可能だ。
例えば、上司から取引先向けにある書類を至急届けるよう命じられたとする。
私はただ書類を届けるだけでなく、納入済みの設備機械の無料点検サービスを思いつく。
その旨を上司に話したところ、積極的な営業態度を評価してもらいOKがでた。
こうして設備機械の無料点検サービスという、命令だけではない自発的な目標が加わったため、「自律性あり×命令なし」の第Ⅱ象限へと移行する。
第Ⅲ象限状態で仕事をする人と、第Ⅱ象限状態で仕事をしている人では、他人の見る目も違う。
「われわれが直せるのは、彼の具体的目標だけである。目標が変われば、精神的な習慣や態度も変わるであろう」とアドラーは言った。
「目標」は少しばかり手を加えるだけで容易に変えられ、より適切な目標が私たちの「精神的な習慣や態度」を変える。