2 IP「目標」との付き合い方
すべてのものは、二度つくられる
「すべてのものは二度つくられる」という言葉は、アドラー心理学が重視する目標と密接に関連する。
万物にはまず知的な第一の創造があり、それから物的な第二の創造がある。
家を建てるなら、どんな家に住みたいかをイメージし設計図を作る。
次にこの設計図をもとにして実際の家を建てることになる。
このようにあらゆるものはまず頭の中で一度創造され、
その後、具体的な形として私たちの前に姿を現す。
これが「すべてのものは二度つくられる」という所以である。
前者の創造を「知的創造」、後者を「物的創造」と表現される。
そして「知的創造」の核になるのが「目標」にほかならない。
生きていくために必要な私たち自身の「目標」の重要性
まず「目標」を抱き、「知的創造」があって、そのあとに「物的創造」が続く。
こののことは私たちの人生にもいえる。
どのような人間を目指し、どのような人生を送るのか、人生の設計図が「目標」として必要になる。
その設計=「知的創造」に支障があれば建つ家に問題が起こるように、
私たちの「目標」に問題があれば、社会との適切な関係が結べないことになる。
アドラーはこうした人生の「目標」に関する「知的創造」が、幼少時の早い段階で、知らずうちになされると考えた。
この「目標」には、見落としがちな特徴や、知っておくべき重要な点がある。
このことをを事前に理解しておくと、不適切な目標を立てる可能性を大幅に減らすことがでる。
また自分のもつ目標が不適切だとしたら、適切な目標に置き換えなければならない。