4-6 DX体制 プロジェクト体制図
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DXを始める際に必要なのが、プロジェクト体制図。
プロジェクト体制図はアサインされた人がどんな役割で何の権限を持ち、誰に対して何の報告をするのか、誰とどの頻度でコミュニケーションを取るのかをセットで考えることが重要。
■プロジェクト体制図の作成要点
- 役割と責任範囲、会議体設計をセットで定義する
- レポートライン(縦の線指示命令)を熟考する
- 組織図の横に伸びる線には意味を持たせる
- プロジェクト意思決定ラインに沿ったものか
プロデューサーやプロジェクトマネジャーの「上司の上司」が体制図上に現れ、プロジェクトの体制図が会社組織図のようになってしまう。
こうした体制は避け「直接関係ない人は図に入れない」。
- 不要なメンバーがアサインされていないか
大規模なプロジェクトはコミッティー人数が多くなる。円滑にプロジェクトを進める上でこうしたコミッティーへの事前調整はプロジェクトマネジャーの大事な業務だが、「面倒な仕事」となる。
プロジェクトマネジャーが応対するコミッティーは1つに限定し、そのコミッティーのメンバーに「円滑なプロジェクト運営のための社内調整」という役割を設定するとよい。
- 深い階層構造になっていないか
体制図において「横に伸びる線」には注意が必要。基本的には「プロジェクトマネジメントオフィス」(PMO)の組織以外に横に伸びる線は不要。役割や責任範囲が不明確になる原因。
■チームの基本類型
- DXプロデューサー(プログラムマネージャー)
・DX推進の主導者
・CDO最高デジタル責任者含
【現状を変えたい思考】
•危機感と言うよりは、現状に疑問を抱く、「合理的な思考」をする人が向いている。DX人材は「現状を変えたい欲求」を持つ人材が多い。
ディスラプティブな発想・思考をいつも持っている。
新しいことへのチャレンジが出来ること。
【諦めない力/やりきる力】
・最後までやりきることが出来ることが必要。いくらアイディアが浮かんでビジネスモデルを組もうが、ビジネスとして成り立つまで走り回りやりきる「情熱」がないといけない。
・組織は現状を維持しようとする慣性力を持っており、自然に変わっていくことは期待できない。社員ひとりひとりの意識を変えさせていくためには、闘争心などのエネルギーが必要となる。
・何か新しいことをしたいいう意思のエネルギーを持つ人は多いが、成功までに多くの時間や失敗の痛みを伴う活動である。そのため持続性を持った人でないと実行できないが、そのような人材はとても少ない。
【リソースマネジメント能力】
•PMやその配下のメンバーは事業スケールに応じて増やしていく必要がある。•複数プロジェクトの中でのリソースの優先順位付けが必要。
- DXマネージャー(スクラムマスター・ビジネスデザイナー)
・DXの企画推進
・関係者調整
【新しいビジネス企画力・推進力】
•新しいビジネスを作ることを実践する研修を行っている。
•外部からビジネスを作れる人材を連れてくることもある。
•「顧客の受容性」を得られる取組はいくつかあるが、ビジネスの将来像を描いていくことが難しい。実証実験後に事業として活動するためには、コンサルや他業種によるサポートの検討が必要である。
•これから起こる行動変化に目を向け、変化を先読みし、他社より先にいく力。
【巻き込み力/調整力】
•相手の意見を聞く能力も必要。個人の意見・考えをもつことも重要であるが他人の意見を聞かないとDXが起こせない。他領域とのコラボレーションを実施することでDXが起こるため、お互いに尊重し合い、調整する能力も必要となる。
•ポジティブ志向を持ち合わせており、協業して実施するような仲間を作る能力が必要となる。変革していくには、一人では出来ず協業する仲間の関係性を築いていくことになる。
•人事がアサインするということではなく、周囲を巻き込んで、自然と人が集まって、事業が立ち上がる。なかったものを作るためには、新たに人を集めるしか方法がない。みんなが動かなければ、その事業は立ち上がらない。
【失敗を恐れず、固執せず、糧にできる力】
•失敗したら、既存組織に戻ってまた活躍すればいい。ずるずると惰性で続けるのは良くない。
•変わりたいということで先頭は走る者は、失敗を恐れてはいるが、成功することも早い為、成功を積み重ねることで人材として育成されていく。
- ビジネス・サービス担当(プロダクトオーナー・アーキテクト・データサイエンティスト・UXデザイナー)
・サービス業務の把握
・将来設計
・プロダクトの責任
- システム・技術担当(エンジニア・プログラマー・データサイエンティスト)
・DX変革後のサービス業務の実装
■チーム編成方法の類型の違い
- 全社横断改革組織
全社を横断するDX組織。現状のままでは全社の存続が危うい場合、将来的も含めた外部環境の変化に対応できない場合などに組成。最も難易度が高く複雑。
- 機能横断組織
情報システムやマーケティングなど、全社に影響を与えるが機能的に分割できる場合に組成。全社横断的な改革に比べると難易度は低いが、他部門との高度な連携が求められる。
- 独立事業対
デジタル化に対して新規に事業を立ち上げる場合などに組成。意思決定の独立性は担保しやすいが、他部門への関与は限定的でサイロ化しやすい。
- 事業変革プロジェクト
変革に関わる部門が少なく、時間的な猶予がある場合に選択される。一般的なチェンジマネジメントの範囲で対処できることが多い。
「5DXの設計」へ続く。