4-4 DX分析 システムマップ

2020年12月19日

DX分析システムマップ
システムマップは、作成した開発要件定義を受け、具体的にシステム構成や機能を設計

【システムマップ】
システム(対象者・事業を取り巻く環境、構成する要素、その関係性)を、描き出し、可視化し、理解するためのマップ

システムマップは、事前に作成した開発要件定義を受けて、具体的にシステム構成や機能を設計する。

■システムマップ5種類の成果物

  1. 業務設計
    1-1.システム化の背景・目的
     ・システム化が必要な背景と目的を説明した資料。
     ・背景:なぜシステム化が必要なのか?
     
  2. 目的:システム化に何を期待するのか?
    1-2.システム化の対象範囲
     ・プロジェクトのシステム化の対象範囲を記載する。
      
    1-3.システム化業務一覧
     ・業務機能構成表に対して、システム化対象業務を選定した資料。
     
    1-4.新業務フロー
     ・開発するシステムを適用し、新しい業務の流れを図解した資料。
     ・アプリケーション機能を具体化していく中で修正になる場合もある。
     
    1-5.システム化業務説明
     ・システム化の業務について、詳細な内容を記載した資料。
     利用者のアクションに対、システムがどうアクションをするかを記載。
      
  3. システム方式設計
    2-1.ハードウェア構成図
     ・システムを実現するうえでのハードウェア構成を明確にする資料。
     ・ネットワーク(回線、ルータ、スイッチ、ファイアウォール等)
     ・ストレージ(ディスク装置、テープ装置等)
     ・サーバー(CPU、メモリ、入出力機構等)
      
    2-2.ソフトウェア構成図
     ・システムを実現するうえでのソフトウェア構成を明確にする資料。 
     ・OS(Windows、Mac-OS、Unix、Linux、iOS、Android等)
     ・データベース(Oracle、DB2、SQL Server、MySQL、PostgreSQL等)
     ・Webサーバ(Apache、nginx、IIS等)
     ・APサーバ(WAS、Tomcat、WebLogic、JBoss、Interstage等)
     ・データ連携(WebSphere MQ、HULFT)
     ・統合運用管理(JP1、Systemwalker、Tivoli、A-AUTO等)
     
    2-3.ネットワーク構成図
     ・システムを実現するうえでネットワーク構成を明確にする資料。
     
    2-4.アプリケーション機能構成図
     ・開発するシステム機能が階層的に分かる資料。
     

3.アプリケーション機能設計
 3-1.画面設計
  3-1-1.画面一覧
  ・プロジェクトで開発する画面を一覧にまとめた資料。
 
  3-1-2.画面遷移図
  ・画面の流れが分かる資料。
 
  3-1-3.画面レイアウト
  ・画面の具体的なイメージを明確にする資料。
 
  3-1-4.画面入出力項目一覧
  ・画面の入出力項目が具体的に分かる資料。
  ・プルダウンのような選択項目の場合、どの値をセットするか検討が必要。

  3-1-5.画面アクション定義
  ・画面上の動作が具体的に分かる資料。
  ・ユーザーアクションに、システムがどう返すかを具体的に記載する。
 
3-2.帳票設計
 3-2-1.帳票一覧
 ・プロジェクトで開発する帳票を一覧にまとめた資料。
 
 3-2-2.帳票概要
 ・帳票の出力場所や使い方を記載した資料。
 ・出力タイミング、改ページ条件、データ上の保管期間など。
 
 3-2-3.帳票レイアウト
 ・帳票の具体的なイメージを明確にする資料。
 
 3-2-4.帳票出力項目一覧
 ・帳票レイアウトを元に、印字する項目が具体的に分かる資料。
 ・どのテーブルの、どの項目から値をセットするかまで記載。
 
 3-2-5.帳票編集定義
 ・帳票に印字するデータの編集方法を記載した資料。
 ・複雑な編集方法を持つ帳票について定義しておく。
 
3-3.バッチ設計
 3-3-1.バッチ処理フロー
 ・プロジェクトで開発するバッチ機能を一覧にまとめた資料。
 
 3-3-2.バッチ処理一覧
 ・バッチ処理の流れが分かる資料。
 
 3-3-3.バッチ処理定義
 ・バッチ処理の具体的な入出力と処理内容が分かる資料。
 
3-4.テーブル・ファイル設計
 3-4-1.テーブル関連図
 ・開発するシステムで用いるテーブルの関係性が分かる資料。
 ・ステムを実現する上で必要なテーブル(新作成・改廃既存・参照既存)を全て書き出す。
 
 3-4-2.テーブル・ファイル一覧
 ・開発するシステムで用いるテーブルやファイルの一覧資料。
 ・機能の入出力で用いるファイル(txtやcsv等)についても記載する。
 
 3-4-3.テーブル定義
 各テーブルの項目名・データ型・長さ等が分かる資料。
 
 3-4-4.ファイル定義
 ・各ファイルの項目名・データ型・長さ等が分かる資料。
 
 3-4-5.CRUD図
 ・各テーブルが、どの機能で、作成・参照・更新・削除がされるかの資料。
 
3-5.外部インターフェース設計
 3-5-1.外部システム関連図
 ・関連システムとのデータのやりとりを図解した資料。
 
 3-5-2.外部インターフェース一覧
 ・関連システムとやりとりするデータを一覧にまとめた資料。
 
 3-5-3.外部インターフェース項目定義
 ・関連システムとやりとりするデータの主要なデータ項目を一覧にした資料。
 
 3-5-4.外部インターフェース処理概要
 ・外部システムとやりとりするデータについて、その方法を記載した資料。
 

4.非機能要件設計
 4-1.性能設計
 ・要件定義の性能要件に対して、対応方針や評価方法を記載する。
 ・基準値(画面応答性、バッチ実行時間等)
 ・対策(アプリケーション機能や基盤設計等の資料へ反映)
 ・評価方法(テスト段階で、性能を評価する方法を記載)
 
 4-2.信頼性設計
 ・要件定義の可用性と完全性の要件に対して、対応方針を記載する。
 ・可用性(使いたいときに使えるかの指標、稼働率を記載する)。
 ・可用性(アプリ面:障害発生時の復旧方法等。基盤面 :システム多重化、縮退運用等)
 ・完全性(データの欠損や不整合がないことの指標。機器の破損への対策、ログの取得など、定性的な書き方となる)。
 ・完全性(アプリ面:データバックアップや更新ログの取得等。基盤面 :ディスクバックアップ、アクセスログ取得等)。
  
 4-3.拡張性設計
 ・要件定義の拡張性要件に対して、対応方針を記載する。
 ・規模の拡張性(利用者やデータの増加に伴うシステム拡張の対応策)
 ・機能の拡張(機能追加の対応策)
 
 4-4.情報セキュリティ設計
 ・要件定義のセキュリティ要件に対して、対応方針を記載する。
 ・情報システムへのアクセスを制限するために、利用者IDの管理を行う。
 ・重要な情報に対するアクセス権限の設定を行う。
 ・接続に関わる不正アクセス対策(ファイアウォール機能、パケットフィルタリング、ISP サービス 等)を行う。
 ・無線LANのセキュリティ対策(WPA2 の導入等)を行う
 ・ソフトウェアの選定や購入、システム開発や保守にセキュリティを前提とした管理を行う。
 
 4-5.テスト方針
 ・要件定義のテスト要件に対して、テスト方針を記載する。
 ・単体テスト・結合テスト・総合テスト・運用テストといった各テスト工程について、プロジェクトの特性に応じて、下記のような観点を記載する。
 ・テストの目的、概要、開始条件、環境、データの準備方針、実施タイミング、役割分担。
 
 4-6.移行方針
 ・要件定義の移行要件に対して、移行方針を記載する。
 ・システム機能だけでなく、データ移行や新業務への移行等、プロジェクトの特性に応じ移行方法を記載する。
 
 4-7.運用保守設計
 ・各要件を実現するに当たって運用保守業務設計、および必要な環境や機能の設計を行う。
 ・運用保守業務内容、役割分担と対象範囲、管理項目、必要なシステムやドキュメント、システム監視方法、データ管理方法(ログなど)、バックアップ方法、障害対応方法、など

4-5 DX策定 PoC」に続く。

Posted by exa103