4-2 DX実行 ファシリテーション

2020年12月18日

DX実行 ファシリテーション
ファシリテーション、活動ができるよう支援し、うまく運ぶよう舵取り

ファシリテーション(facilitation)は、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。

集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味する。
その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたる。

■ファシリテーター
DX活動の二つのプロセスに関わる。
①「活動の目的を達成するための外面的なプロセス」。
②「一人ひとりの頭や心の中にある内面的なプロセス」。

チーム活動を円滑に進めるには外面的なプロセスが大切だが、成果や満足感を左右するのは内面的なプロセス。チーム活動では、メンバーの考え方の枠組みや様々な思いがぶつかりあって、感情も関係性も常に変化する。
変化するからこそ、新しい考えが生まれたり、対立している人と合意形成ができる。
これがチーム活動のダイナミズムであり、ファシリテーターは両方のプロセスに関わることで、人と人の相互作用を促進している。

■ファシリテーションの4つのスキル

  • 場のデザインのスキル ~場をつくり、つなげる~

何を目的にして、誰を集めて、どういうやり方で議論していくのか、話し合いの段取りからファシリテーションは始まる。
最適な議論の進め方や論点を提案して、メンバーに共有してもらわなければならない。
 
単に人が集まってもチームにはならず、目標の共有から共同意欲の醸成まで、チームビルディングの良し悪しがその後の活動を左右する。 
 
人は環境によって振る舞い方が大きく変わるからです。ファシリテーターがどういう構えで場に臨むのかも見逃せない要素。

  • 対人関係のスキル ~受け止め、引き出す~

話し合いでは、できるだけたくさんの意見や考えを出し合い、理解と共感を深めながらアイデアを広げていく、これを「発散」と呼ぶ。
すべて出し尽くすことで、これから生み出す結論への合理性と納得感を高めていく。

ファシリテーターは、そのメッセージを受け止め、発言者を勇気づけ、心の底にある本当の思いを引き出していかなければならない。同時に、意見と意見の連鎖をつくり、幅広い論点で考えられるようにする。具体的には、傾聴、応答、観察、質問などのコミュニケーション系(右脳系・対人系)のスキルが求められる。

  • 構造化のスキル ~かみ合わせ、整理する~

発散がうまくいけば、自然と収束に向けての気運が生まれてくる。タイミングを見計らい、個々の意見を分かりやすく整理して、しっかりとかみ合わせる。議論の全体像を整理して、議論すべき論点を絞り込む。議論を分かりやすく「見える化」するファシリテーション・グラフィックが重要。

ロジカルシンキングをはじめとする、思考系(左脳系・論理系)のスキルで、物事の枠組みを表すフレームワーク(構造化ツール)を臨機応変に提示すれば、効率よく議論が展開できる。

  • 合意形成のスキル ~まとめて、分かち合う~

結論の方向性が絞られてきたら、なにを基準にして最適な選択肢を選ぶのか、異なる意見をどうやって融合させるのか、決め方を決める。

避けて通れないのが意見の対立。コンフリクト・マネジメントのスキルを使って適切に対処すれば、創造的な結論が得られ、チームの結束力も高まる。ファシリテーターの力量が最も問われるところ。合意ができれば、結論やアクションプランを確認し、話し合いを振り返って次に向けての糧とする。

4-2 DX実行 ポジティブシンキング」へ続く。

Posted by exa103