3-3 DX知性 AI人工知能

2020年12月18日

DX知性 AI人工知能
AI、エキスパートシステムによる推論機能予測,分類

AI=人工知能による予測・分類】

人間にしかできなかった高度な知的作業や判断を、コンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにした。

■AIはデータを用いた反復型の学習と発見を自動化。

AIは手作業のタスクを自動化するのではなく、コンピューター化された大量かつ高頻度のタスクを高い信頼性で “疲れる" ことなく実行。
このタイプの自動化では、システムのセットアップや適切な疑問の提起といった面で、人間の関与が依然として不可欠。

■AIは既存の製品にインテリジェンスを追加。

AIが単体アプリケーションとして販売されることはない。
Siriが新世代のApple製品に新機能として追加されたのと同様、人々が既に利用している製品の改善・強化にAI機能を利用。
自動化、会話型プラットフォーム、ボット、スマートマシンなどを大量のデータと組み合わせることで、セキュリティ・インテリジェンスから投資分析まで、家庭や職場で利用される数多くのテクノロジーを改善・強化することが可能。

■AIは漸進的な学習アルゴリズムを通じて適応。

「データ自体にプログラミングを行わせる」ような方法で実現。
AIはデータの構造と規則性を発見し、それを基にアルゴリズムが分類や予測をする。
アルゴリズムは、チェスのプレイ方法を「自己学習」できるのと全く同様、ネットショップで次にレコメンドすべき商品も自己学習できる。
新しいデータが与えられると、モデルの適応化も行われ、誤差逆伝搬というAIの手法では、最初の解がそれほど適切ではない場合、学習と追加データを通じて自律的にモデルの調整が行われる。

■AIは、多くの「隠れ層」を持つニューラル・ネットワークを利用して、より多く深いデータを分析。

5つの隠れ層を用いた不正検知システムを構築することは、ほとんど不可能だったが、信じられないほどのコンピューティング性能とビッグデータによって状況が一変した。
ディープ・ラーニング・モデルはデータから直に学習するため、こうしたモデルをトレーニングするには大量のデータが必要。
モデルに与えるデータが多いほど、モデルの正確性が向上。

■AIはディープ・ニューラル・ネットワークを通じて、驚異的な正確性を達成。

人間がAlexa、Google Search、Google Photosなどで行う対話(型の操作)は全てディープ・ラーニングを基盤としており、使い込むほど正確性が高まる。
医療分野では、ディープ・ラーニング、画像分類、物体認識といったAI手法の活用により、MRI画像からガンを発見するタスクの精度が、高度な訓練を受けた放射線科医と同等のレベルに達している。

■AIはデータを最大限に活用。

アルゴリズムが自己学習するようになると、データ自体が知的財産となる。
答えはデータの中にあり、人間に必要なのはAIを適用して答えを取得することだけ。
ビジネスにおけるデータの重要性がかつてないほど高まっているため、データは競争優位性の源泉となりえる。
競争の激しい業界で全ての企業が同じような手法を適用する場合でも、最良のデータを持つ企業こそが高い確率で勝者となる。

■AIの仕組み

  • 機械学習
    分析モデルの作成を自動化。人間が調査範囲や結論を明示的にプログラミングしなくても、ニューラル・ネットワーク、統計、オペレーションズ・リサーチ、物理学などの手法を活用することで、データ内に埋もれている洞察を発見することができる。
  • ニューラル・ネットワーク
    機械学習の一種であり、脳のニューロン(神経細胞)のような相互接続された処理単位で構成される。これらの単位が外部入力に応答し、互いに情報を受け渡すことによって情報を処理。未定義のデータから関係を発見して意味を導き出すために、データを複数の処理パスに通す必要がある。
  • ディープ・ラーニング
    処理単位が多階層化された大規模なニューラル・ネットワークを活用する手法。コンピューティング性能の進歩とトレーニング手法の向上による利点を活かして大量のデータから複雑なパターンを学習。一般的な用途としては、画像認識や音声認識(=スピーチ認識/発話認識)がある。
  • コグニティブ・コンピューティング
    AIの下位分野の1つであり、機械と人間の間で人間同士のように自然な対話を実現することを目指す。AIやコグニティブ・コンピューティングの最終的な目標は、機械が画像・音声解釈機能で人間のプロセスをシミュレートし、人間と理路整然と会話できるようにする。
  • コンピューター・ビジョン
    パターン認識とディープ・ラーニングにより、写真やビデオに何が写っているかを認識。機械が画像を処理・分析・理解できるということは、画像やビデオをリアルタイムで取り込み、撮影場所の周囲の状況を解釈することも可能。
  • 自然言語処理(NLP)
    コンピューターが人間の音声(スピーチ/発話)も含め、人間の言語を分析・理解・生成できるようにすることを目指す。NLPの次の発展段階は「自然言語による対話」であり、人間は普通の日常的な言葉でコンピューターとコミュニケーションを図り、タスクの実行を指示できる。
  • GPU (Graphical Processing Unit)
    GPUは大量の反復処理に必要な高度なコンピューティング性能を提供できることから、AIのカギを握る領域の1つとして注目される。ニューラル・ネットワークのトレーニングには、ビッグデータに加え、高度なコンピューティング性能が欠かせない。
  • モノのインターネット(IoT)
    IoTでは相互接続デバイスから膨大なデータが生成されますが、そのほとんどは分析されずに放置されている。AIでモデルの作成と適用を自動化すれば、データを最大限に活用できるようになる。
  • 高度なアルゴリズム
    より多くのデータを、より高速に、複数のレベルで分析するために、高度なアルゴリズムの開発や、新たな方法で組み合わせる手法の考案が進められている。希少事象の特定と予測、複雑なシステムの理解、独自のシナリオの最適化などに取り組む際は、こうしたインテリジェントな処理が重要な役割を果たす。
  • API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)
    APIは特定のプログラム機能の利用を簡素化する仕組みであり、既存の製品やソフトウェアにAI機能を容易に追加できるようになる。ホーム・セキュリティ・システムやQ&Aシステムに画像認識機能を追加すると、画像データの属性記述や、キャプション/タイトルの作成を自動化できるほか、画像データ内にある興味深いパターンや洞察を呼び出すことも可能になる。

3-3 DX知性 ビジネスインテリジェンス」へ続く。

Posted by exa103