★EQ「心の知能指数」とは

2021年3月30日

いかにEQを活用して課題を解決するか

心の知能指数「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」とは、心の知能といわれる「EI(Emotional Intelligence)」を測定する指標。

「心の知能」とは、「自己や他者の感情を理解することや、自分の感情をコントロールする能力」を指す。
従来から知性の尺度である「IQ(知能指数)」だけで人の知能を判断するのは不適切だとして、心理学者のハワード・ガードナーが提唱した。
IQ自体は、ヒトの知能を測る上で有益な尺度ではあるが、より総合的に人間の能力を測る基準として「EQ」が発達してきた。

ITの進化、AIの普及で社会は大きく変化し、働き方改革や健康経営はもとより、世界レベルでSDGs経営(環境・社会・企業統治)への取り組みが求められ、
その解決にEQは不可欠であり、世界ではますますEQに注目が集まっている。

日本においても、多くの企業でEQの導入が進み、EQを理解するレベルから、いかにEQを活用して課題を解決するか、そのためにEQをいかに開発するかという方向に向かっている。
EQは学ぶ時代から実践のステージへと確実に変化した。

「EQは人生の質を変える」

私たちは日々感情とともにあり、日々の感情をうまく使うこと=「EQ」は、心と体の健康に影響を与え、よりよい社会生活に寄与する。
その日々の積み重ねが人生とすれば、EQは人生の質を変えるといっても過言ではない。

オールドタイプは終わり、ニュータイプにアップデート

これまで活躍していた「20世紀的優秀さの人材」=オールドタイプが発揮してきた思考・行動様式によって、社会システムが生み出す問題が拡大再生産されている。

例えば、世界中では「ゴミ」が深刻な問題になりつつあるが、これは「量的な向上」を無条件に是とするオールドタイプの思考・行動様式が生み出した結果といえる。
現在のようにモノが過剰に溢れている状態で、ただ「量的な向上」だけを目指せば、すでに過剰にあるモノを再利用せずに、次々にゴミにしていくしかない。

今の社会が吐き出した「システムの大きな問題」を解決するには、システムそのものを修正し、人間の思考・行動様式を大きく切り替えることが必要となる。
この「思考・行動様式の切り替え」は、オールドタイプから『ニュータイプへの進化』とされる。

価値が高いのは「問題解決能力」ではなく「問題発見能力」

オールドタイプが活躍した20世紀は「問題解決能力」が極めて高く評価された。市場に多くの「不満、不便、不安」という問題解消というニーズが存在していたので、
それらを解消できる組織や個人は高く評価され、高い報酬を得ることができた。

しかし、物質的なニーズや不満があらかた解消されてしまった現在、そもそも「大きな不満、不便、不安」は減少していて、問題解決能力では富を創出することは難しい。
私たちは人類史上で初めて「問題が希少で解決策が過剰」という時代に突入している。

ただ単に「問題解決の能力が高い」というだけでは価値を生み出せない時代にあっては、「問題の解決能力」のみならず「問題の発見能力」が重要となる。

価値が高いのは「問題解決能力」ではなく「問題発見能力」とになり、結果として「問題発見能力」が高いオールドタイプの価値は下がり、「問題発見能力」のが高いニュータイプの価値が上昇することになる。

「EQ」は、より総合的に人間の能力を測る基準

誰もが理性的な思考だけで物事を判断しているわけではなく、「感情面」に焦点を与えているという点で、EQは非常に意義がある。
他人の能力を育てる育成力、チームワークや協調関係を築くリーダーシップはもちろん、交渉などで双方の「WIN-WIN」関係を築く。

「EQ理論」とは、「自己の感情をうまく管理・利用できる能力」
1.自分を理解する「自己認識」
2.自分をコントロールする「自己管理」
3.他人を理解し適切な人間関係を築く「社会認識」
4.組織・集団を正しい方向へ導く「人間関係の管理」

人間関係を上手く管理することで、個人では実現できないことを、組織の力によって実現させることが可能になる。
ニュータイプ=「高い問題の発見能力」は、EQ=「高い心の知能指数」の持ち主でもある。

Posted by eq103